大腸CT検査(CTC)と大腸内視鏡検査(大腸カメラ)の違いを解説
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大腸CT検査(CTC)と大腸内視鏡検査は、大腸のがんを発見するための検査です。
それぞれの検査方法には、メリット・デメリットがあります。検査内容を正しく把握して、医師との相談の上、自分に適した検査を選択しましょう。
今回は、大腸CT検査(CTC)と大腸内視鏡検査は何が異なるのか、どのような患者に向いているのか、など、それぞれ比較しながら解説します。
▶大腸CT検査(CTC)の詳細解説についてはこちら
大腸CT検査(CTC)と大腸内視鏡検査の相違点【一覧表】
使用するモダリティ・機器と検査方法
●大腸CT検査(CTC)
大腸CT検査とは、その名の通り、大腸をCT撮影し検査を行う方法です。肛門から専用のチューブを挿入し大腸へ炭酸ガスを入れ、大腸内を膨らませた状態でCT撮影します。このように検査のための準備が簡単であり、内視鏡検査より痛みもないことが特長です。
CT撮影した画像は、3次元画像に再構築し、読影が行われます。大腸は他の消化管と比べて複雑な形態をしており、内壁には、粘膜の表面積を拡大するためのヒダが無数に存在しています(表面積を広げることで、腸管を経由する食物からたくさんの栄養を吸収できるようになっています)。しかし、このヒダによって、内視鏡では見えない死角が生じてしまいます。大腸CT検査の場合、3次元画像にすることで死角なく検査を行うことができます。
ただし、5mm以下の小さなポリープは検出しにくいという弱点もあります。そしてCTを使用することから、医療被ばくも避けることはできません。
●大腸内視鏡検査
内視鏡(大腸カメラ)を肛門から入れて、医師が直接観察する方法です。直接カメラを入れて観察しますので、事前に下剤を服薬し大腸の中を綺麗にしておく必要があります。
医療被ばくはありませんが、痛みを感じることがありますので、静脈麻酔を使用することが推奨されています。
前述した通り、内視鏡検査は大腸のヒダにより死角が生じている部分までは観察が困難です。ただし、5mm以下の小さなポリープを見つけることができたり、病変を見つけた際に、そのままポリープを除去することも可能というメリットがあります。
検査時間
●大腸CT検査(CTC)
大腸にガスを注入してから、仰向けとうつ伏せの2パターンで撮影し、およそ15分で検査が終了することが多いです。
●大腸内視鏡検査
大腸にカメラを入れてから、10~20分程度で終了することが多いです。
医療費の相場
●大腸CT検査(CTC)
保険診療で行う場合、3割負担で5,000~6,000円程度です。
●大腸内視鏡検査
大腸CTと同じく、保険診療で行う場合、3割負担で5,000~6,000円程度です。
検査ができない条件
●大腸CT検査(CTC)
造影剤を投与しますので、造影剤アレルギーがある方はアナフィラキシーショックを起こす恐れがあるため検査は実施することができません。また、医療被ばくがあるため、妊娠中、または妊娠している可能性のある方も検査を受けることはできません。
●大腸内視鏡検査
大腸が長すぎたり癒着がある方は、カメラを腸内に挿入できないため、検査を受けることはできません。
まとめ
今回は、大腸CT検査(CTC)と大腸内視鏡検査の違いを比較し、解説しました。どちらの検査方法にも向き不向きがありますので、それぞれのメリット・デメリットを把握し、最適な検査方法を選択する必要があります。
▶大腸CT検査(CTC)の詳細解説についてはこちら
📚参考サイト
大阪がん循環器病予防センター(http://www.osaka-ganjun.jp/medical/examination/colorectal/ctc.html)
日本大腸肛門病学会(https://www.coloproctology.gr.jp/modules/citizen/index.php?content_id=7)
COLOR +DA(https://www.mrso.jp/colorda/az/1968/)