【完全版】診療放射線技師・臨床検査技師のための「内定を勝ち取る」履歴書作成マニュアル

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転職活動において、履歴書は採用担当者があなたの人柄やプロフェッショナリズムを判断するための重要な書類です。

記載内容や表現ひとつで、評価が大きく左右されることも少なくありません。

本記事では、医療現場での転職を成功させるための「履歴書の作成方法」について、ポイントを押さえながら分かりやすく解説します。

 

1. はじめに:作成前の鉄則「医療職としての正確性を示す」

医療現場では微細なエラーが致命的な結果を招きます。

そのような医療現場では、採用選考における履歴書も重視されることが多々あります。

誤字脱字だらけの履歴書や、非常識な書き方をした履歴書を提出してしまうことで、「実務でも注意力が欠如しているのでは?」「きちんとルールを守れない適当な人ではないか?」と見なされる可能性があります

履歴書を「正確に」「丁寧に」作成することは非常に重要なのです。

 

作成方法の基本ルール

手書きかPCか
指定がなければPC作成(WordやExcel)で問題ありません。最近ではPCで作成するケースが全体の95%と、ほぼ主流になりました。また、読みやすさも重要ですので、書字に自信がない場合はPC作成をお薦めします。

手書きの場合は修正厳禁
手書きに限った話ですが、書き間違えた場合は修正液や修正テープの使用、二重線での訂正は絶対に避け、必ず最初から書き直してください。これが採用選考を受ける際のマナーです。

年号の統一
西暦か和暦か、文書全体で必ずどちらかに統一してください。2023年、令和○年、と西暦と和暦が混在すると、非常に読みにくい書類になってしまいます。

2. 基本情報欄:正確性の第一関門

日付:書類の「提出方法」によって変更すること

日付は、その履歴書がいつの時点の情報かを示す重要な指標です。以下のルールを守り、古い日付の状態での提出は絶対に避けましょう。

  • 記入日のルール:郵送の場合はポストに投函する日、持参する場合は当日の日付を記入します。
  • 年号の統一:前述しましたが、西暦(2025年など)か和暦(令和7年など)のどちらか一方で、履歴書全体を必ず統一してください。
  • 鮮度の重要性:古い日付が書かれた履歴書を使い回すのは、「志望度が低い」と見なされるため厳禁です。

 

氏名・捺印:正式表記で丁寧に

氏名は、採用担当者が ”一番最初に読む” あなたの情報です。ここでミスがあると採用担当者の温度感が下がってしまいますので、注意して臨みましょう。

  • 正式な漢字:住民票や戸籍謄本に記載されている通りの漢字を使用します。略字は避け、「齋藤」などの難しい漢字も正確に記載してください。
  • スペース:名字と名前の間には、読みやすさを考慮して一文字分のスペースを空けます。
  • ふりがな:履歴書の書式に従います。「ふりがな」ならひらがな、「フリガナ」ならカタカナで記入し、漢字の真上にくるよう配置してください。※意外と入力漏れが多いです!
  • 捺印:押印欄がある場合に限り、認印を曲がらないよう丁寧に押します。捺印があることで、書類の信用度が高まります。

 

生年月日・年齢:提出時点の「満年齢」

  • 年齢の定義:記入した「日付」時点での満年齢を記載します。書類作成から提出までに誕生日を迎える場合は、年齢の更新を忘れないようにしましょう。
  • 略称不可:和暦の場合、「H」「R」などの略称は使わず、「平成」「令和」と正式に書きましょう。

 

3. 住所:都道府県からアパート名まで省略しない

住所の不備は、信頼性を失うだけでなく、入職時に必要な郵送物が届かないなどの実務的なトラブルまで想起させます。

  • 番地の書き方:「1-2-3」と略さず「1丁目2番3号」と正確に記入したほうが、読み間違いの発生も防げるためお薦めです。
  • 建物情報の明記:マンション名、アパート名、号室まで必ず記載してください。
  • ふりがな:都道府県名や建物名などにふります。番地や部屋番号へのふりがなの記載は不要です。

 

連絡先:日中確実に連絡が取れる手段を

採用担当者からの連絡(面接日の調整など)をスムーズにするための項目です。

  • 電話番号:日中に連絡がつきやすい携帯電話の番号を記載するのが一般的です。自宅に固定電話がない場合は、携帯番号のみで問題ありません。
  • メールアドレス:普段使っている個人のアドレス(データを受け取りやすくするためにGmailなどのPCメール推奨)を記入します。勤務先のアドレスを使用するのは絶対に避けてください。
  • 誤読の防止:数字の「0」とアルファベットの「o」など、間違いやすい文字ははっきりと書きます。数字の「0」には斜線を引くなどの配慮も有効です。
  • 緊急連絡先:現住所と同じであれば「同上」と記入します。

 

4. 証明写真:第一印象は「信頼の診断書」の顔

証明写真は「あなたの第一印象を決める」という極めて重要な役割を担います。採用担当が一番に目を向ける部分がこの顔写真です。

「清潔感」「誠実さ」「安心感」を提示しましょう。

  • 撮影時期:必ず3ヶ月以内に撮影されたものを使用します。古すぎる写真は、現在の印象と異なり信頼性を損なうため”厳禁”です。
  • 表情:真顔よりも、口角をわずかに上げた「自然な笑顔(歯は見せない程度)」が推奨されます。これにより、患者様に安心感を与える「柔和で優しい印象」をアピールできます。
  • 服装と身だしなみ:黒や紺のスーツに白いシャツが基本です。男性はネクタイを着用しましょう。髪型は顔がはっきり見えるよう整え、目にかからないようにします。アクセサリーは外し、清潔感を最優先してください。
  • 撮影方法:写真館やスピード写真機を利用しましょう。最近ではスマホで証明アプリもあるため、そちらを使用することも可です(ただ自撮りはゆがみやすいため、誰かにとってもらいましょう)。ベストは写真館。写真館であればレタッチ(修正)を受けられるため、より好印象に仕上がります。写真は履歴書に直接貼り付けてもいいですし、PCで作成する場合は写真データを埋め込んでも問題ありません。
    なお、スナップ写真やプリクラは”厳禁”です。真剣さが感じられず、どの選考も落ちることになります。
  • ワンポイント:写真現物を貼り付ける場合、万が一はがれた時のために、写真の裏にフルネームを記入してから貼り付けましょう。

 

5. 学歴・職歴欄:正式名称で記載する

この欄で最も重要なのは、「正式名称で書くこと」です。なお、具体的な実績の「定量化(撮影件数など)」は職務経歴書に詳しく記載するため、履歴書では簡潔に経歴を示します。

 

記載のルール

学歴
高校卒業から記載するのが一般的です。学校名は略さず「○○県立△△高等学校」と正式名称で書きます。その後、大学や専門学校の入卒歴を記載します。

医療機関名
病院名だけでなく、必ず「法人名」から正確に記載してください。

  • ❌ A病院
  • ⭕ 医療法人○○会 A病院

法人格の注意
「医療法人」「公益財団法人」「学校法人」など、法人格を間違えないようにしましょう。また、「(株)」や「(医)」といった略称は使用せず、必ず「株式会社」「医療法人」と記載します。

表現の使い分け
医療機関の場合は「入社・退社」ではなく、「入職・退職」という言葉を使います。

職歴の締め方

最後の職歴の次の行に、左寄せで「現在に至る」と記載します。

 

 

6. 免許・資格欄:プロの証を正確に記す

免許・資格証は、取得年月順に記載します。

  • 正式名称で記載、年月にも注意:資格名は正式名称で書きましょう。取得年月も西暦・和暦が混同しないようにしてください。
  • 認定資格のPR:認定資格(マンモグラフィ認定、超音波検査士など)を取得されている場合は、必ず記載しましょう。また、検診マンモグラフィ撮影認定など認定のランクがある場合、そのランクも記載しましょう(例:検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師(A認定))。採用担当者への大きなPRになります。
  • 失効している資格は記載しない:更新期間が過ぎてしまい、資格として効果を失効している場合は、履歴書への記載は避けましょう。誤解を生むことになるかもしれず、後でトラブルの元になります。

 

7. 志望動機・自己PR:受け身を卒業し、貢献を語る

志望動機

志望動機の文字数は100文字〜150文字程度が目安です。

応募先の経営方針や症例数などの特徴をリサーチし、「自分のスキルを活かして、貴院でどのように貢献したいか」を論理的に構成してください。

構成のポイント

  1. なぜその施設か(理念への共感、自己の将来との照合)
  2. これまでの経験をどう活かすか
  3. 入職後の目標

NG事例
「学びたい」「教えてほしい」という受け身の姿勢ばかりを強調するのは避けましょう。20代半ばまでであれば「学びたい」という言い回しは問題ないのですが、それ以上の年齢になると学ぶ姿勢よりも貢献の姿勢を見られます。

もちろん、その求人内容が、これまであなたが経験したことのない新たな機器操作や検査を含むケースもあるでしょう。そのときは「自ら学習していく」という気概を伝えれば問題ありません。他力本願ではなく、自力での習得をアピールしましょう。

病院は学校ではありません。「これまでの経験を活かしてどう貢献するか」までセットで語る必要があります。

自己PR

あたなの強みを端的に表現しましょう。例えば、「コミュニケーション能力がある」と述べるだけでなく、具体的なエピソード(例:不安な患者様への声掛けや、他職種との連携実績)を交えて裏付けを提示することをお薦めします。

8. 本人希望記入欄:原則は「規定に従う」

履歴書の最後にあるこの欄は、あなたの「譲歩できる柔軟性」を見られています。

  • 汎用フレーズ:特記事項がなければ、原則として「貴施設の規定に従います。」と記載することが最も適切です。なぜなら、本人希望欄に給与や休日などの希望を事細かに記入しすぎると、「条件面ばかりを重視している」と見なされ、書類選考で不利になる恐れがあるためです。
  • 例外:子育てによる時間制限や、どうしても夜勤ができないなどの「やむを得ない事情」がある場合に限り、簡潔に記載しましょう。それ以外の詳細な条件交渉は、内定後や面接の場で行うことが賢明です。

9. 最終チェックと提出マナー

呼称の使い分け

文中では、病院なら「貴院」、クリニックなら「貴クリニック」、民間企業なら「貴社」、と記載します(御院・御社は口頭語です、履歴書内に記載していないかしっかりチェックしましょう)。医療機関であれば、「貴施設」と記載して問題ありません。

提出方法

郵送の場合は、角形A4号または角形2号の白封筒を使用し、クリアファイルに入れた書類を封入します。表面左下には、赤字で「履歴書在中」と書き、定規を使って四角で囲みましょう。

 

まとめ

履歴書はあなたの「医療従事者としてのプロフェッショナル(質)」を証明する書類です。

細部まで「正確・丁寧」に仕上げられた履歴書は、必ず採用担当者の心に響きます。

もし、履歴書の書き方でお悩みの際には、ドクターネットエージェントへご相談ください。志望動機の書き方や作成後の添削など、お手伝い致します。

 

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