医師だけじゃない。放射線技師でも進む働き方改革「タスクシフト」とは?

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2019年4月1日より働き方改革関連法案の一部が施行された「働き方改革」は、医療業界にも変化をもたらしています。
労働時間を減らす取り組みとして効果的とされるのが「タスクシフト」です。タスクシフトとは医師の働き方改革を念頭に置いた方策ですが、
診療放射線技師を含め、医療に関係する様々な職種に影響を与えます。
ここでは、タスクシフトの定義に加え、診療放射線技師への法適用や働き方にどう影響するかを考えます。

 

 ■「タスクシフト」とは
医師は、その専門性ゆえハードワークで知られていますが、働き方改革を推進するうえで「タスクシフト」が効果を上げると期待されています。
タスクシフトとは、業務の一部を他のスタッフに移管する仕組みを指します。
医師が担っている業務の一部を、他の医療従事者が行うことで、医師の長時間労働を解消し、業務負担を減らすのがタスクシフトの目的です。

タスクシフトは、医師にも時間外労働の上限が適用されることが背景にあり、導入が急がれています。
2024年4月から「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律」が実際に施行されると、
すべての勤務医の時間外労働は、原則、年間960時間までとなります。
救急などを担う地域医療に欠かせない医療機関や、集中して症例を多く経験する必要がある研修医などの時間外労働は、年間1,860時間と制限が緩和されていますが、
いずれにしても上限は設けられることになります。

近年、医療が格段の進歩を見せるとともに複雑化している影響で、医師にかかる負担は増しており、労働時間が延びる傾向が強くなっています。
医師のタスクシフトを実現させるには、医師の業務を細分化し、医師しか行えない業務と、医師以外でも行える業務に分けることが最初の一歩となります。
そして、医師以外が担当可能な業務を、だれがどのようにカバーできるかを検討する必要があります。

参照元URL
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000467710.pdf
https://www.jshp.or.jp/cont/21/1004-2.html
https://gemmed.ghc-j.com/?p=29906

 

■診療放射線技師へタスクシフト推進のための法改正は進んでいるのか
医師のタスクシフトを推進するため、医師が担っている業務を他の職種に拡大できるよう、国も法改正を進めています。これは、診療放射線技師も例外ではありません。
2021年10月には、診療放射線技師を含む4職種を対象とした法改正が行われ、業務範囲が拡大されました。
法改正により、診療放射線技師が新たに担えるようになった業務を、RI検査を例に考えてみます。
法改正前は、静脈確保は医師や看護師、RI検査医薬品の投与は医師、造影は医師または診療放射線技師、
投与後の抜針や止血行為は医師や看護師と診療放射線技師の業務は限られていました。
ですが法改正後は、前述で説明した一連の流れすべてを、診療放射線技師が担当できるようになっています。
このほかに医師が診察した患者について、担当医師の指示を受けていれば、診療放射線技師が病院や診療所以外の場所に出張して、超音波検査を行うことが認められています。
実施可能な業務は明確化されましたが、今まで担っていなかった業務を患者の安全を確保したうえで行うには、新たな教育や研修が必要となるでしょう。
これから診療放射線技師を目指す人に実施する教育内容を、就業している診療放射線技師にどれほどの研修を求めるかなど、詰めの調整が急がれます。
出展元
https://www.hospital.or.jp/pdf/15_20210930_01.pdf
https://www.innervision.co.jp/ressources/pdf/innervision2020/iv202012_049.pdf

 

■タスクシフトが浸透すると診療放射線技師の働き方はどうなるか
タスクシフトの浸透により、診療放射線技師の働き方にどれほど影響を与えるかは、各医療機関の取り組み方に大きく依存します。
だからこそタスクシフトを浸透させるためには、タスクシフトの当事者である医師と、医師の業務の移管先となる診療放射線技師を含む他の医療従事者の意識改革が必要となります。
また、タスクシフトを担うスタッフの医療知識や技術力アップを進めなければなりません。
さらに、従来業務の見直しや、ICT技術の有効活用などにより、医師をサポートする人員の確保も重要です。

タスクシフトに見られる医師の働き方改革の本質は、業務負担の削減にあります。その点を、医療機関全体として考えるか、
どれほど真摯に取り組むかで、診療放射線技師の職場環境や仕事の質が左右されるかもしれません。
診療放射線技師も目指すべき方向を考え、自分らしく働ける職場を選択する必要も出てくるでしょう。

出展元
https://gemmed.ghc-j.com/?p=32517
https://www.jastro.or.jp/medicalpersonnel/journal/JASTRO_NEWSLETTER_136_tokushu.pdf

 

■診療放射線技師が受けるタスクシフトの影響
医師の労働時間削減を目標に、他の医療従事者に業務を移管するタスクシフトの動きが広がっています。
法改正により診療放射線技師の業務範囲も広がっており、これまで以上の業務を行う必要も出てくるでしょう。
だからこそ医療機関の方針や取り組みをしっかりと確認理解し、自身に合った職場で働くことをお勧めします。

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